
「個々の受講者の作家性を育み、自分なりの写真を志すためのきっかけの場」としてはじまった石川直樹の写真学校では、全10回の講義とワークショップを通し、受講生の方たちと写真のさまざまな可能性を学んできました。
その成果展としての卒業作品展を、高松市の
MARÜTE GALLERYで開催しました。
展覧会のタイトルは「PHOTO ARCHIPELAGO(写真多島海)」。
その名の通り、1年を通して自分らしい写真の表現の仕方を模索してきた受講生たちの型にはまらない多様な力作が勢揃いしました。

展示設営後は1人ずつ作品をプレゼンテーションをし、石川直樹さんから講評をいただきました。

会期中は香川県内はもとより、各地から多くの方が足を運んで熱心にご覧くださいました。

また取材していただいた四国新聞社さんでは、カラー写真付きで大きなスペースでご紹介いただき、驚くとともにうれしく思いました。
ありがとうございました。

設営を終えた後、石川直樹さんを囲んでの打ち上げ風景。
受講生のみなさんがとてもいい表情をしていたのが印象的でした。
「1年間一緒に写真について学んできた仲間なので、これから2期に来ようと思ってる人もそうでない人も今後どこかのトークショーに来た時には声をかけて欲しいし写真を見せてくれてもOKです。せっかくのご縁をこれからも大切にしていきたいです」
と、石川さんはおっしゃっていました。
受講生のみなさん、1年間ありがとうございました!
石川直樹の写真学校は2015年4月〜2016年5月に開催されました。
講義9回、そして卒業写真展の展示実習1回の全10回を開催しました。
受講生は学生から50代の方まで年齢層も幅広く、また香川県内や四国からだけではなく、広島や島根や関西や、関東地方からもLCCに乗って通ってきてくださる方も多くいらっしゃいました。
作家としての写真家を目指す方や、写真集を作りたいという方、個展を開きたいという方など、写真学校に通う目的もみなさん多種多様でした。
講義では
「座学」と
「写真集のレビュー」そして
「ポートフォリオレビュー」を行いました。
「座学」では写真の歴史や知っておいてほしい写真家の話などを学びます。
写真家として第一線で活躍する石川直樹さんから語られる話はとてもいきいきとして、とっつきにくく感じる写真史などもぐっと身近に感じることができ、受講生のみなさんも熱心にメモを取っていました。
「写真集のレビュー」では、写真集だけではなく、写真関連の書籍や雑誌やCDのジャケットなども含めて、受講生のみなさんが気になる「写真」を持ち寄り、感想を共有しながら写真に対する理解を深めていきました。
石川さんは
「写真の歴史は絵画などに比べると古くはない。
そして名作と言われているものは決まっているし、時代を作ったといわれるような写真集の数は多くはないのだから、総ざらいするように見てみることは大事。
写真史を学ぶことは、今まで誰も取り組んでいない、新しい写真を撮るためにとても必要なこと」
と、おっしゃいます。
「ポートフォリオレビュー」では、持ってきた20枚以上の写真のプリントを1人ずつ机に並べ、石川さんが見ていきます。
このポートフォリオレビューを通して、受講生1人1人が自分の作家性を深めていきました。